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『セイフヘイヴン』物語の文法を破壊する衝撃ラスト

『きみに読む物語』などのニコラス・スパークスの小説が原作です。監督は『ギルバート・グレイプ』や『サイダーハウス・ルール』などのラッセ・ハルストレム監督。 小さな港町にやってきた傷ついた女性が、同じく最愛の妻をガンで亡くし傷ついた男性と恋に落ちるのですが、実はその女性は逃亡中のみであることがわかり・・・というお話。この映画は軽くサスペンスの要素が入っていたので、最後までしっかりと見ることができました。ですが、やっぱり少々テンポが遅いのが気になります。 男女が出会って、お互い気になる関係でありつつ、一歩が踏み出せないもどかしさから、関係が進展して、恋の駆け引きが始まり、からのふたりは恋に落ちる。という恋愛初期の
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『ミッドナイト・イン・パリ』昔のパリもきっとこんな感じ

もしもこの偉人たちと食事できたら。すこしでも話ができたら。そんな夢や希望を叶えてくれる映画です。ゼルダ・フィッツジェラルドとスコット・フィッツジェラルドの関係性なんて、「こんな感じだったんだろうなあ」をもろにやってくれています。清々しいくらいに「きっとこんな感じだった偉人たち」が大勢出てきて、知ってる偉人が出てくるたびに「おおっ」と謎の興奮があります。
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『マンチェスター・バイ・ザ・シー』贖罪のための自傷は誰かを救うことになるか

そりゃそうなるわ。と思うには十分すぎるほどの痛ましい過去を知ることになります。ですが、私はそれでもこの男は自分を罰しすぎているという憤りを感じずにはいられませんでした。この男の塞ぎ具合がどうにも見ていて痛々しいのです。リー・チャンドラーは人とのコミュニケーションを一切断ってしまっている。その理由は映画の中盤に明らかになります。ここではネタバレになりますので控えますが、こんな経験があれば、誰だってふさぎ込むというような経験です。そして、さらにリー・チャンドラーを苦しめるのが、誰も俺を罰してくれないということなのです。ならば自分で自分を罰するしかないという意識のもと、彼は自分で自分を罰し続けている男なのです。
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『ゲット・アウト』あなたも私もこれに囚われている

白人と黒人のアメリカ社会におけるどうしても埋められない溝がテーマです。逆差別。被差別へのアンチテーゼ。アメリカでは黒人は道を歩いているだけで逮捕されてしまう。それが普通。本作でも別に運転していたわけじゃないのに免許証を確認させられたりしています。「黒人というだけでなんでこんなに差別されなきゃいけないんだ」そんな黒人の自らの不遇さ、アドバンテージを持つ側としての側面がラストで逆転する。そんな映画です。
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『レディ・プレイヤー1』おれはガンダムでいく

初っ端から主人公が乗っている車は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』のデロリアンだし、ヒロインの乗るバイクは『AKIRA』の金田バイクです。『マッドマックス』シリーズのV8インターセプターも出ていました。『フェリスはある朝突然に』や『ブレックファーストクラブ』のジョン・ヒューズ監督の作品のうんちくなどもサラッと語られたりして、誰がこのネタわかるの?というマニアックなものもあったりでオマージュ探しだけで相当楽しいです。
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『スーパーサイズ・ミー』マクドナルドを30日毎日食べると人はどうなるのか

作品の監督であるモーガン・スパーロック自身が、1日に3回・30日間、マクドナルドのファストフードだけを食べ続けたらどうなるか?を記録したドキュメンタリー映画。結論から言って、30日間の挑戦後、モーガン・スパーロックはかなり太り、血液検査の結果が最悪になりました。脂肪肝寸前までいっていますし、尿酸値のレベルもかなり高くなり、痛風の危険もありました。アメリカ人の食生活にこそ問題あり。アメリカ人の食生活そのものを根本的に変えないと、なかなかこの問題はマクドナルドだけに責任を転嫁しても変わりそうにないです。アメリカ人の肥満率は近年でも過去最悪となっているようで、1999-2000年には30.5%だった割合は、2007-2008年には33.7%、2015-2016年には過去最悪の水準をさら
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『マッドマックス 怒りのデス・ロード』怒りのデスデスロードレース

シャーリズ・セロンとトム・ハーディが主人公の今作。マッドマックスの主人公なのにメル・ギブソンじゃないなんてと思うかもしれませんが、そんなことは冒頭の10分ですっかり頭から消え失せていることでしょう。最初から最後まで息つく暇のないアクションとドラマで最後まで集中して鑑賞できることをお約束します。トム・ハーディのマックス役もはまり役と言ってもいいくらい、ぴったりの役どころであることがわかります。鑑賞中なんにも気にすることなく見られるほどにマックスに馴染んでいます。でも今作の最もぴったりで印象的な役はシャーリズ・セロン演じるフュリオサでしょう。左腕を失った孤高
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『リメンバーミー』祖先がいるから私がいる

あんな名声のために人を殺し、有名になる人気になるためになら手段を選ばない=心がないようなやつよりも、死者の国でも落ちぶれて文字通りの骸骨野郎になっていたヘクターのほうがずっと父親として適格だったでしょう。本当の父親は誰かというのは、なんとなく物語の中盤から薄々感づいていましたが、それでもヘクターで本当に良かったとなるのはエルネスト・デラクルスを途中かなりの悪役に変貌させたからでしょう。
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『ヴェノム』 結局どっちつかず

ヴェノムって、スパイダーマンの悪役のはずでしたよね。今作では、しっかり世界を救っています。今作でもっとも謎なのが、ヴェノムがなぜに仲間をも裏切って、人間の味方をするのかという点。救う理由が「お前のことが気に入った」だけじゃ弱いでしょ。あと、物語が「ヴェノムってやつが自分の体の中に入ってきた、これを出したい」ということに終始している感じが否めませんでした。それでも十分面白かったんですけどね。彼女が新彼氏と食事中突然乱入して、ロブスターの水槽で水浴び、ロブスターを生でボリボリ頬張るシーンなんか最高でした。
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『インサイド・ヘッド』自分の支配者は自分

感情の列車が抽象概念のトンネルを通過するところや、長期記憶の貯蔵庫、潜在意識へ降りていくところ、トリプルデントのコマーシャルが突然リピート再生されるところ・・などは特に好きです。更に言うと、この映画のストーリーを俯瞰してみてみると、このストーリー自体が「少女が(11歳の子どもが)精神的に成長する過程」を科学的に追いかけているという構造になっているが唸りますね
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