『スプライス』モンスターホラーなのにヒトコワ

スプライス映画

スプライス

科学者のクライヴ(エイドリアン・ブロディ)とエルサ(サラ・ポーリー)は倫理に反し、人間と動物のDNAを配合する実験を開始する。実験は成功し、これまで誰も目にしたことのない新生命体がこの世に生まれ落ちる。二人はその新しい生命体にドレンという名前を付け、誰にも知られないように育てることにするのだが……。

引用元シネマトゥデイ

まさにマッドサイエンティストの有様

この映画に登場する科学者夫婦は、まさしくマッドサイエンティストです。自分の卵子を使って遺伝子操作で生み出した人間に近しいけど、人間とは違う、別の生き物。ドレン。そのドレンと科学者夫婦の関係性とその末路を描いた映画です。

何度となく出てくるのは、ドレンの虐待シーンです。人間となにか別の生き物の中間のような、不可思議なフォルムをした生き物、ドレンを科学者夫婦は何度となく、実験の一貫と称して虐待します。

特に夫婦の奥さんのほうが曲者で、旦那のクライヴ(エイドリアン・ブロディ)終始奥さんのエルサ(サラ・ポーリー)の言いなりです。嫁のほうがなにか始めると旦那はすぐに中止すべきだと忠告するのですが、結局はその始めたことを手伝う羽目になるというシーンが繰り返されます。

で、その妻の方にはなにやら被虐待歴がある(を匂わすシーンがある)ということがわかります。その虐待を受けてきた妻は、虐待の連鎖をするかのようにドレンに虐待を行うのです。

  • ドレンの可愛がっていた猫を取り上げる。
  • かと思えば気まぐれに返す。
  • ドレンの毒針を私に歯向かったという理由で切除する。

数えればもっとあると思いますが、思い出すだけでも、これらの(もはや実験とはなんの関係もない)単なる虐待と言っていい事例をエルサ(サラ・ポーリー)は繰り返すのです。虐待されてきた自分と重ねるように。

この科学者夫婦の目的は別のところにある

途中からエルサ(サラ・ポーリー)が何をしでかすのか怖い。ドレンが何をしでかすのか怖い。という理由で映画が非常に緊張感に満ちたものとなっていきます。はっきり言って終始怖かったです。

もうこれだけでホラー映画としては十分最高だと思います。非常に怖い作りでした。次のシーンでどんな事が起きるのか、全く予想が付きませんでした。映画のレビューでは先が読めるなどのレビューも見かけましたが、私は全く先が読めず、終始ハラハラしっぱなしでした。

ですが、映画内の二人は完全に狂気の方向にシフトしてしまったマッドサイエンティスト二人組です。待っているのは末路しかありません。ラストはどう決着を付けるのかと思いましたが、新生物というアイデアを活かしたラストだったと思います。

私は劇中ずっとエルサ(サラ・ポーリー)が怖くて仕方ありませんでした。しかも劇中何度となくクライヴ(エイドリアン・ブロディ)が妻の名前を呼ぶので「またかよ!」と「今度は何する気なんだよ!」と怯えて付き従うだけの夫と同じような心境でした。

とにかくドレンが怖い。と思ってしまう自分は醜いのだろうか

やっぱりドレンはどこか怖い。何をしでかすのかわからず、画面にドレンが出てくると、「そろそろ誰か食い殺されるんじゃないか」と常に緊張感を持って見てしまうものがありました。

やっぱり生物としてのフォルムが、人間に近しいものになればなるほど、「そろそろ牙をむくはずだ」と心の何処かで思ってしまっているのです。

これは私は監督から観客に向けてのメッセージのように捉えていて、監督から「お前もこの子のことを心のどこかで気持ち悪いとか怖いって思ってるだろう」と言われているような気がしました。

生物がなんか気持ち悪いフォルムしてるとか、なんか自分たちに近いけどぜんぜん違うものだったというときに感じる「異物感」「抑えられない嫌悪感」をわかった上で敢えて提示されているのでしょうね。

ドレンはなんの象徴なんだろう?とか考えるのはいきすぎですかね。

「自分たちに近いけど、やっぱり違う別の生物」=「気持ち悪い」。人間として自然な感情だけど、どこか(我々のほうが)醜いと感じるのは、「わかりあえそうだけど、多分無理」と心の何処かで拒絶しているのを見透かされていように感じるからだと思います。

お前もドレンのこと気持ち悪いとか思ってるんだろ?と言われているような。

私はドレンが気持ち悪くて仕方ありませんでした。この気色悪い生き物はなんだよと。でもどこかでその気色悪いと思ってしまっている自分の感情は醜いとも感じてしまう。

「近しい。けど別の生き物なんだ」というこちら側の勝手な線引きは人種差別や障害者差別などとも通じる感情だと感じます。「我々とは違う」という境界を引いておくと、あとは勝手に恐怖が醸成されていく。

ドレンという新生物を通して人間の醜さが暴かれるような映画で、ホラーのテイストではありますが、人間の醜さがこそもっとも怖い。というこの映画の帰結には暗澹たる気持ちになります。

見たあとにズーンと疲労感の残る映画です。

胸糞映画に耐性のある方は見て損はないと思いますよ。

こういう映画は苦手って人は、次の日が休日の日とかにご覧になってみてください。




言ってしまえば悪趣味な映画だと思います。自分たちで作り上げたものを、自分たちで壊すお話。

人間の中には、自分たちで誕生させた新しい命を自分たちの持ち物ののように扱って、おもちゃのように蹂躙して、最後は壊す。そんな夫婦や親がいますね。ばけものはどちらでしょうね。

一回見たらぐったりと疲れる映画ですが、見て損はありません。気になった方は鑑賞してみることをおすすめします。

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