『ゲット・アウト』あなたも私もこれに囚われている

映画

『ゲット・アウト』を見ました。これって人種差別映画なんでしょうか?そのへんの感想書いてみました。

ゲット・アウト

あらすじ
ニューヨークに暮らすアフリカ系アメリカ人の写真家クリスは、ある週末に白人の彼女ローズの実家に挨拶へ行くことに。若干の不安とは裏腹に、過剰なまでの歓迎を受けるものの、広大な敷地の中に、黒人の使用人がいることに妙な違和感を覚えはじめる。

『ゲット・アウト』風刺系ホラー?風刺系コメディ?

白人と黒人のアメリカ社会におけるどうしても埋められない溝がテーマです。

アメリカでは黒人は道を歩いているだけで逮捕されてしまう。それが普通。本作でも別に運転していたわけじゃないのに免許証を確認させられたりしています。「黒人というだけでなんでこんなに差別されなきゃいけないんだ」

そんな黒人の自らの不遇さ、アドバンテージを持つ側としての側面がラストで逆転する。そんな映画です。

ネタバレせずにこの映画の結末には触れずに、感想を書いてみます。

『ゲット・アウト』はブラックユーモアの含まれたコメディ映画

黒人自虐系ブラックユーモア

黒人だから〇〇できるでしょ。黒人だから運動神経いいでしょ。

デニス植野というハーフ芸人が、子ども時代のエピソードで披露していた話に、「少年サッカーの試合の時。全く実績がないし、本人はど下手なのに黒人っぽいという理由で出場した途端、マークが三人ついた。」という話があります。

この映画はそんな観客が無意識に持っている、人種にまつわるステレオタイプな偏見を利用して、恐怖に発展させた映画という感じがします。

自虐系の笑い話が元ネタとしてあって、その自虐ネタをスリラー風の映画に仕立て直すことで別の形に誕生させなおした映画がこの映画だと感じました。この映画の根底に流れるスタンスは「黒人の自身のアイデンティティに対する自虐」だと思います。

黒人のなんとなくなステレオタイプなイメージがあって、本来は自虐ネタとしてコメディに寄せられることができる話なんだけど、それをあえてスリラーで外した。それがうまい具合にハマった感じですね。

ひたひたと忍び寄るような気持ち悪さ

根底に流れるのは、黒人の自身に対する自虐ネタだとしても、スリラーとして見ごたえのある映画に仕上がっています。彼女の屋敷についてからは、特に時間の流れ方が変わったかのように思える独特な不穏な雰囲気が画面全体に渡って広がって、そのあたりから段々と観客は「この映画は一体どこに行くの?」という感覚に囚われていくのです。

先の読めない、「一体この先何がある?」という好奇心を膨らませながら、同時にどんどん膨らんでいく不穏感と緊張感。最後までしっかりと映画を見させ続ける力があります。

「なんとなくの気持ち悪さ」

映画が進むに連れて「なんとなく気持ち悪い感覚」というのがだんだんと観客を支配していきます。それは、黒人ぽくない黒人の登場だったり、自分の姿を窓で眺めて笑う異様な黒人使用人の姿だったり。だんだんとそれが明らかになっていくうちに気づきます。

それは、黒人である主人公が自身に対して持っている「黒人である自分に対する偏見」が顕になる過程なのでした。

その一連のシーンは、主人公が黒人としての自己に持つ偏見を他の黒人の姿として投影されているようにも感じますし、黒人という存在に対して一般的視聴者が持っている偏見を露わにしていく作業のようにも見えます。

この辺が自虐的映画だと感じる理由です。ここが実に気持ち悪いシーンなのです。その気持ち悪さは「らしくない」気持ち悪さでもあり、それは同時に「自身が黒人に持っている偏見」をえぐられている気持ち悪さでもあるのでしょう。無意識にでもなんとなく「黒人らしくない」という違和感を感じさせられているのですから。

偏見は見せつけられることで気づく。

私達の中に眠る「黒人だから足が速い」「黒人だから身体がでかい」「黒人だから力が強い」などの数々の偏見を最終的にはまざまざと見せつけられる映画です。必ずしも黒人だからって脚が速いわけでもないし、音楽の才能があるわけでもないし、力が強かったり体格がデカいわけでもないのです。

当たり前ですよねそんなの。これが偏見なんですよね。皮肉ですね。

スリラー映画としても完成度の高い作品だと思いますが、自虐的でコミカルな皮肉の中に差別問題を内包する映画でした。

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