『22年目の告白-私が殺人犯です-』二転三転の小気味よさ

映画

『22年目の告白-私が殺人犯です-』を見ました。良質脚本でグイグイ話に引き込まれてしまいました。期待せずに見たのですが、掘り出し物の日本映画でした。ネタバレ系映画ですのでネタバレ無しで感想を書いてみます。

22年目の告白-私が殺人犯です-

1995年、東京で起きた5件の連続絞殺事件。被害者を関係者1名と向かい合わせ、殺害の一部始終を目撃させるという残虐な手口を重ねた凶悪な事件は、被害者の1人に現役の警察官を含めながら、警察の必死の捜査もむなしく時効を迎え、迷宮入り事件となる。それから22年、派手なパフォーマンスとともに堂々と自分が犯人だと名乗り出た男が現れた。男の名前は曾根崎雅人。彼の書いた告白手記はベストセラーとなり、一躍時の人となった曾根崎の行動は日本中を翻弄する。

引用元 wikipedia

時効成立後に名乗り出る犯人。その意図は?

22年前の連続絞殺事件の犯人が、時効成立後に自らの犯行の告白本を出版するところから話は始まります。この殺人犯の一冊の本の出版が、世間を揺るがす騒動へと発展していくという物語なのですが、そもそもなぜ22年後に突然姿を表し、犯人だと名乗り出て、本の出版を行うのか?

疑問点はやがてひとつの真相へと迫っていくのですが、ここではネタバレになりますので、気になる方はぜひ映画の本編をご覧になってみてください。

犯人、曾根崎雅人(藤原竜也)は22年ぶりに世間に姿を表して、本の出版をする経緯を「罪の償い」と「真相の告白」のためだと主張します。

無能で愚鈍な警察がまともな捜査をしないから、時効を迎えてしまった。だが、私の殺人は芸術だから、本当のところを世間に教えてやろう。そして時効は過ぎてしまって、もう罪の償いをするすべを失ってしまった私の最後の罪滅ぼしをさせてほしい。

それが出版の経緯だ。とそういうロジックで出版に至る流れを説明するのですが、大きな疑問が残ります。

だったらなぜもっと早く自首しなかった?

時効が成立したあとにのこのこ出てきて本の出版をしようなんて、金儲けが目的か?時効後にあえて姿を表すことで警察をあざ笑っているのか?それとも世間を賑わすことで自己顕示欲を満たそうとしている?

いずれにせよろくな理由ではないだろう。

出版で稼いだ金で豪遊三昧、美味そうにステーキを食らうシーンなんかも出てきて、さらにその疑問は大きくなっていきます。こいつの言うことはなんとなく信用できない。

その観客の疑問は、一つの臨界点を迎えたときに、一気に解決に向かって動き出すのですが、ここの展開もなめらかで気持ちがよく、実に小気味よいです。

『22年目の告白-私が殺人犯です-』は良質な脚本と、出演者の実力が光る

脚本が良く出来てる。

『22年目の告白 -私が殺人犯です-』は脚本が良く出来てると思いました。実はこの作品は韓国映画のリメイクなのですが、日本でのリメイクにあたり、大幅なアレンジと映画としてのテイストの変更を行っているようです。

本作は2012年公開の韓国映画『殺人の告白』のリメイクです。『殺人の告白』の方は未見なのですが、予告を見る限りだと本作のような社会派サスペンスと言うよりもどちらかというとアクションとバイオレンス系の映画となっているようです。

日本でリメイクするに当たり社会派サスペンスにテイストのアレンジがあったようです。また、日本の法律制度の改正(時効の撤廃)の観点からシナリオと結末も多少変化しているようです。

日本の法制度の改正で、時効がなくなったこと。これがストーリーの中で自然に組み込まれているので唸ります。その他事件の真相に至っていく伏線が絶妙に回収されていくのも見ていて心地よく、「あーなるほど」とちゃんと思えるように、飽きさせず、くどすぎない程度に伏線の場所を復習していくような演出もちょうどよい感じで良かったです。

この映画やドラマなどの映像作品のお約束の一つである、伏線があった場所や以前の出来事を再度思い出す回想シーンは、やりすぎるとくどくなって、観客を馬鹿にしてんのか?と思ったりもしてしまいます。

回想のテンポの良さは作品の出来に結構大きなウェイトを占めている部分だと感じているのですが、今作ではちょうどよい感じでくどすぎないところも好印象でした。

出演者の実力光る演技

伊藤英明と藤原竜也がメインキャストとして、出演していますが、本作で特筆すべきはなんと言っても仲村トオルの演技です。仲村トオルの役柄は戦場カメラマン、戦場ジャーナリストからのニュースキャスターへの転身というどっかにモデルがいそうな役なのですが、本当の犯人の真相に迫るキャスターとして重要な役を務めています。

仲村トオルの滋味ある演技は要注目です。他にも、岩城滉一、平田満など個性派俳優で脇を固めており、ちょい役のオッサン連中も少しの出演でしっかりと記憶に残る、印象的な役どころを演じています。

メディアと報道のあり方

最後に少し不満だった点を少し。この作品の原作からのリメイクにあたり付け加えられた点として、社会派サスペンスにアレンジされていると書きましたが、この点が結構おおざっぱといえば大雑把になってしまった感がありました。社会派サスペンスに寄りつつも、そこが中途半端になってしまっているのです。

ネタバレになるので詳細は省きますが、日本の報道側の姿勢としてどのくらいまではOKでここからはダメという自主規制のようなものがありますよね。ですが、今作では「本当だったら絶対こんなところ放送されてないよな」というところまで報道の目が食い込んでいて、すべてが国民に明らかになるという姿勢を首尾一貫してメディアが崩していません。

ここが不自然といえば不自然。日本には表現の自由があるので、今作の犯人も殺人告白本という恐ろしい本を出版できているのですが、それをただ闇雲に報道して熱量高く取り上げているだけのメディアのあり方が、なんか主体性を欠いているような描かれ方をしていると見えなくもないです。

犯人、曾根崎雅人(藤原竜也)とキャスター、仙堂俊雄(仲村トオル)の言いなりになって報道陣営全体が巨大なモブのように動いているように見えるシーンが多いのです。

それが「主体性なき日本のメディア報道を揶揄している」というところまでいってればよかったのですが、なんかそれも中途半端に終わってしまっていて、報道のあり方がテーマに据えられつつも、どっちつかずの演出で終わってしまっているという印象でした。

もうひとついえば、最後のちょい足しはなくても良かったんじゃないかと思います。マーベルのラストのちょい足しみたいな感じで面白いっちゃあ面白いけど。

いらなかったんじゃないかな・・・

とにかく先の読めない展開ですので、そういったことも気にせずに楽しめばいいと思いますし、私は楽しめました。

いつも応援ありがとうございます。
にほんブログ村 映画ブログへ



家で映画を楽しみたいならU-NEXTがおすすめです!

今なら31日間無料トライアル実施中!
映画、ドラマ、アニメなど最新作から名作まで、230,000本以上配信しています!
2021年1月時点で、見放題本数21万本を含む23万本を配信しており、定額制サービスとして36ヶ月連続で「見放題作品数No.1」の配信サービスです。

サービス開始時からいままでぶっちぎりの配信数です。


「見放題作品数No.1」 U-NEXT




映画
スポンサーリンク
ねすをフォローする
シネマタイガー

コメント

タイトルとURLをコピーしました